教習所 > 運転免許の基礎知識 > ソボクな疑問を解決&解説 > 牽引免許(けん引免許)を取りたい

牽引免許(けん引免許)を取りたい

「牽引免許(けん引免許)を取りたい」という方必見! みなさんから寄せられた疑問を徹底レクチャーします。

牽引免許(けん引免許)を取りたい

質問 「キャンプ用のトレーラーとか台車に載せたボートをひっぱってるクルマってたまに見かけるけど、ゴージャスなアウトドアって感じで憧れるよね。これから海や山へ行って、ボートやキャンプを楽しむんだろうな~。いつかあんなふうにボートやトレーラーを引っ張りたい! どんな免許があったらいいの?」

回答 「ボートなどの小型船舶を台車に載せたものや、キャンピングトレーラー、または貨物用トレーラー等を引っ張るには、牽引(けんいん)免許が必要になります。言うまでもないことですが、引っ張られる側(被牽引車)は自走しない状態なので、引っ張る側(牽引車)を運転するための普通免許・大型免許なども、それぞれ必要になりますよ。」

牽引免許(けん引免許)って何?

自走しない状態の被牽引車を、乗用車に連結して目的地まで牽引(※けんいん=引っ張って動かすこと)するための免許です。
貨物用トレーラー、キャンピングトレーラー、台車に載せた小型船舶等を動かす目的で取得されます。

ちなみに、牽引免許が必要になるのは“750kg以上の被牽引車を引っ張る場合”のみ。

被牽引車の重量が750kg以下であれば、普通免許で牽引は可能です。
日本で一般的なサイズのキャンピングトレーラーは750kg以下のものが主流なので、牽引免許が必要ないことも多いとか。
トレーラーだったら何でも牽引免許が必要、というわけではないんですね。

【訂正】ライトトレーラー免許について

「輸送業のためじゃなく、キャンピングカー程度のトレーラーを牽引したい」
という場合は、車両重量が750kg超~2,000kg以下の比較的小型のトレーラーの運転だけに限定した免許を取得することも可能です。

この限定免許のことを、当サイトでは「ライトトレーラー免許」としてご紹介していたのですが、訂正いたします。
「ライトトレーラー免許」という名前の免許はありません。

運転免許試験場に問い合わせたところ「ライトトレーラー免許」はあくまで通称で、そういった種目の免許はなく、免許取得の際は「牽引免許」としての取得になり、条件欄に「牽引車は○トンまでに限る」等の条件が記入される形になるそうです。

「ライトトレーラー免許について」と試験場に問い合わせたのに、いまいち話が通じなかった…という方、申し訳ありませんでした。
お詫びの上、訂正させていただきます。

さて、改めて「車両重量が750kg超~2,000kg以下の小型トレーラーの運転だけに限った免許」の受験方法をご紹介します。

一般的な牽引免許の受験方法とはいくつか異なる点があります。

  • まず、運転免許試験場に前もって連絡し、受験することを伝える
  • 担当者と相談の上、受験の日時を決定
  • 試験車両は自分で持ち込みの上、受験する

全国でもかなりレアな免許条件のためか、750kg超~2,000kg以下の試験車両は運転免許試験場にも常備されていないらしく、持ち込み車両での受験となるそうです。

例えば知り合いに試験車両を借りて、試験場までは「すでに牽引免許を持っている人」に運転してきてもらう必要がありますね…。
普通に牽引免許を受験する方が、取得しやすいかもしれません。

牽引免許の小型限定条件について、詳細はお住まいの地域管轄の運転免許試験場までお問い合わせください。

牽引免許(けん引免許)で運転できる車・受験資格・費用

牽引免許は、あくまで「引っ張られる側の車」を動かすために必要な免許です。

運転車は「引っ張る側」に乗って牽引するわけですから、引っ張る方の車が普通車だったら普通免許・大型車なら大型免許などなど、それぞれに応じた運転免許も同時に持っていないと牽引はできません。

牽引一種免許

運転できる車
750kgを超える被牽引車を動かすことができます。
貨物の大量輸送などに利用できるので、この免許を持っていると運輸業の仕事の幅が広がりますね! 現時点では被牽引車の重量制限なしで運転ができることとなります。

受験資格
18歳以上で、大型免許、普通免許、大型特殊免許、大型二種免許、普通二種免許または大特第二種免許をすでに持っている者。
視力などの適性検査に合格すること。

牽引二種免許

運転できる車
被牽引車に乗客を乗せる「トレーラーバス」などを運転するような場合は必要です。
ですが、実際に【牽引二種免許】が必要な車の運行は、一部の地域を除いてほとんど見当たりません。
(※万博など、大きなイベント会場等で期間限定の運行もあるようです)
牽引二種免許を持っていてもあまり使い道がないのが現状なのですが、この免許を保持している人は全国でも数百人程度。

受験資格
21歳以上で、大型免許、普通免許または大型特殊免許及び牽引免許を持ち、いずれかの免許を受けていた期間が通算3年以上ある者。
受けようとする第二種免許と異なる種類の第二種免許を受けている者 。
視力などの適性検査に合格すること。

※お住まいの地域管轄の運転免許試験場に直接お問い合わせの上、受験してください。

牽引免許(けん引免許) 教習規定時限

牽引免許を取得するときは、普通免許・大型免許等の免許を1つ以上保有していることが前提となるので、教習を受ける際、学科教習は必要ありません。
技能教習を受けるだけで取得可能です。

牽引免許の教習規定時限
保持免許/技能 第1段階 第2段階
普通車(MT/AT)
大型車
大型特殊車
5時限 7時限

普通車・大型車など何かひとつ第一種免許を持っていれば、牽引の教習自体は受けられます。
ですが、「何のために牽引免許を取るか」によって、他の免許も必要になることがありますよね。

例えば、運輸業でバリバリ働くために牽引免許を取ろうとしている場合。
もし普通免許しか持っていないのであれば、牽引の教習を受けるのと一緒に大型免許も取った方が、活躍の幅は広がります。
また、大型特殊免許があればさらに活躍できる可能性もありますよね!

そういう方のために、教習所では「大型+牽引免許」や「大型+大特+牽引免許」のセット教習を行っているところもありますので、ぜひ参考にしてください。